「東工大法人化と今後のビジョン」
東工大副学長 下河辺 明 教授
-平成16年6月26日-

下河辺 明. 副学長 略歴
1.現  職   東京工業大学 副学長(研究担当),教授(精密工学研究所)
1.学  歴
   昭和40年3月 東京工業大学理工学部制御工学科を卒業した後,

   大学院機械工学専攻修士課程,博士課程を経て、
   昭和49年3月 工学博士
1.職  歴
   東京工業大学精密工学研究所助手、助教授、工学部教授、精密工学研究所教授を経て、
   平成10年4月より平成13年3月まで精密工学研究所長
   平成13年10月より東京工業大学副学長(研究担当)
    なお、平成16年4月より、東京工業大学理事・副学長に就任予定
   また現在、研究戦略室室長、国際室室長、産学連携推進本部本部長などを併任
   現在に至る
1.受賞
   工作機械技術振興賞(論文賞)、精密工学会論文賞、精密工学会賞受賞
   日本機械学会情報・知能・精密機器部門功績賞受賞などを受賞
1.専門分野   マイクロマシン・MEMS,メカトロニクス,機械要素,精密計測
1.学外活動
   日本学術会議工学共通基盤研究連絡委員会委員など
   精密工学会,副会長,理事,監事など
   日本機械学会,フェロー,情報知能精密機器部門部門長,評議員など
   外部評価委員(東北大学,茨城大学,信州大学,熊本大学など)

講演 要旨

1.タイトルと目次
「東工大法人化と今後のビジョン」
  1)はじめに
    東工大の長期目標
  2)現状と実力
    東工大の現状
      学生数、職員数、学部、研究科、附置研究所、予算規模
    東工大の実力評価
      COE21の採択数比較、マスコミ等の外部機関による実力評価
  3)法人化でなにが変わる
    運営体制
      学長のリーダシップを重視した運営と学長裁量分
      学長直属の企画立案組織(研究戦略室、教育推進室等)
    研究教育体制
      大学院を中心とした運営体制、副研究科長等
      新しい教授選考の方式
      国際化ポリシーペーパー
    産学連携体制
      産学連携推進本部の設置、東工大TLOとの関係
  4)新しい取り組み
    附属高校との連携
    清華大学との合同大学院プログラム
    MOT大学院
  5)むすび

2.概要
 東京工業大学は平成13年、その長期目標を「世界最高の理工系総合大学」となること と定め、以後その実現に向かってさまざまな改革に取り組んできました。平成16年4月 からの法人化については、これを改革推進の好機としてとらえ、戦略的運営体制の確立、 研究・教育システムの改革、産学連携体制の改革を中心に法人の制度設計をしてきました。
 今回の講演では、まず長期目標の具体的意味について、次いで東工大の現状、特に学生 数、職員数などの人的規模、また学部・研究科・附置研究所などの研究・教育組織につい て説明いたします。さらに、平成14年度から開始された21世紀COEの採択数や、マ スコミなどに取り上げられたデータから、東工大の実力を考えてみます。
 法人化で東工大のどこが変わるか、についてもご紹介いたします。戦略的運営体制の確 立という観点からは、学長のリーダシップを重視する運営体制をどのように構築するか、 また研究・教育の実務執行組織である学部・大学院研究科・附置研究所と学長を中心とす る役員会との意志疎通の方法、さらには学長裁量による教員ポスト、研究スペース、研究 経費などについて説明いたします。
 研究教育体制に関連しては、大学院を中心とした運営体制、新しい教授選考の方式、国 際標準の大学を目指すには何をなすべきかを議論した国際化ポリシーペーパー、などにつ いて説明いたします。産学連携体制については、文部科学省の事業により設置した産学連 携推進本部について、さらにはこの本部と東工大TLOとの関係等について説明いたします。
 最後に今後の展開として、田町の附属高校からの推薦入学、東工大と清華大学との合同 大学院プログラム(両大学の修士号が取得できることなどが特長です)、MOT大学院など について紹介いたします。